セルフビルドでタイニーハウスを作り、広いお庭で愛犬をのびのび走り回らせてあげられる・・・そんな生活を夢見て始まった土地探しの旅。
第16回目となる今回は、土地探し目的としては初上陸となる茨城県の物件を見に行った時のことを振り返ります。
【第1回から見る場合はこちら】
売り土地データ(1)
場所:茨城県・荒川沖駅近傍
土地の広さ:402㎡
地勢:平坦(ひな壇)
値段:100万円
※この物件は当記事公開時点で既に成約済みとなっています。場所を特定できたとしても一方的な訪問等は絶対に行わないでください※
現地雑感
今回の売地は今まで見てきたような別荘地や(空き地の方が圧倒的に多い)名ばかり分譲地ではなく、正真正銘の住宅地のど真ん中で突如ポツンと売りに出てきた土地ということもあり、公共上下水道だけでなく都市ガス管まで敷地内に引込済みであるなどインフラの充実度は「セルフビルドの土地探し」史上1番の土地です。
それでいて坪単価1万円を切るこのお値段、きっと何か裏があるに違いないと瞬時に察知できた読者の方はよく訓練されています。笑
この土地ももちろん「裏」がある土地なのですが、それはそれとしてまずは土地の全容をご覧いただきましょう。
画像のキャプションでも記載した通り、この写真は旗竿売地の竿の部分から撮影しています。そう、つまりこの売地は「旗竿地」です。これが安い理由の1つ。
南側および西側の隣地境界付近を撮影しようと試みましたが、ご覧の通り草が盛大に生い茂っており土地の形状がイマイチよく分かりません。
一応説明によると竿部分から旗部分にかけてひな壇の地形になっている、との事ですので・・・
高低差のある東側隣地(東側の方が低い)ではブロックで土留め用とおぼしきブロック塀が積まれている最中でした。
全国各地でブロック塀の倒壊事故がニュースとなっているこの時代に、控え壁も見当たらないその高さのブロック塀は安全面でどうなんだろう?と一瞬思いましたが、最終的に購入に至らなかった土地の隣地のことなので今となっては何かあっても知りません←
続いて西側の竿部分をご覧いただきましょう。ん?西側の竿部分?
実はこの売地、2つの隣り合う旗竿地が旗の部分でくっついている・・・無理矢理アルファベットで表現すると「pq」←このような形状の2筆の土地が一纏めで売りに出ている土地となっています。
そして先ほどまでは「q」の旗部分および竿部分をご覧いただいたわけで、今回は「p」の竿部分から旗部分の方向を撮影したわけですね。
「p」の旗部分から「q」の旗部分をご覧いただくと・・・どっちみち雑草が生い茂り過ぎてよく分かりません。苦笑
とはいえ写真中央奥・水色のシートがかかっている家が建築中の東側隣地(先ほどのブロック塀が積まれていたところ)ですので、400㎡オーバーの広さは多少なりとも実感頂けるでしょうか。
旗竿地・ひな壇・雑草が生い茂る現況・・・と安く売りに出る要素はそれなりに揃っているこの売地ですが、それでも「本来であれば」このエリアでこの広さで坪1万円を大きく下回ることはたぶんあまりありません。
ではなぜこの価格設定となっているのか。最大の要因と思われる理由を紹介します。
旗竿地の旗部分はほとんどが建築不可です。
どうやら一段高くなっている北側隣地(写真右側)の擁壁が、現在の建築基準法では不適格擁壁となっているらしく、新築する場合は擁壁から水平方向に高さの2倍以上距離を取らないと建築確認申請が下りないのだとか。
そのため「p」の方の旗竿地は事実上建築可能な場所が存在せず、「q」の方の旗竿地も旗部分のうち90㎡程度しか建築可能面積が残らないため購入する人をかなり選ぶ売地となることから、今回のような価格になったものと思われます。
筆者の場合は当初100平方メートルを1つの基準として土地探しを始めたので、この売地でも選択肢に入ったわけですが。笑
【土地探しの当初の条件を整理した記事】
とはいえとにもかくにも現地は草が猛烈に生い茂っており、本当に説明通りひな壇の土地なのか・実は緩傾斜地じゃないのかと錯覚するくらい分かりにくかったため、売主に草刈りを依頼しそれが終わった後で再度訪問して前向きに検討したい旨を伝えたのですが、翌々日に「販売を依頼していた仲介業者経由で買付申込書が入ったため売り止めとなりました」との連絡があり、残念ながらご縁はありませんでした。
現地訪問を終えて
この売地を見学に行ったのは2021年12月頭でしたが、天候が良かったこともあり覚悟していたよりは寒さを感じませんでした(寒くなかったとは言っていない)
どことは申しませんがかつて茨城県の県北地域に住んでいたことがあり、当時冬の寒さは「北関東」というよりも「南東北」と呼称した方が正しいのではないかと錯覚するほど厳しかった記憶があるのですが、この売地は茨城県の中でも県南に位置し2020年10月末に見学に行った秩父市とだいたい同じ緯度ですのでそこまででは無いようです。
【2020年10月末に秩父市を訪問した時の記事】
ところで今回の売地、当初筆者が見に行った時は100万円で売りに出ており訪問2日後に売り止めとなったことは前述した通りですが、実はこの10か月後に再度売地として出て来ました。
が、売主物件ではなく仲介業者が窓口となる仲介物件となり価格も180万円へと値上げ、にも拘らず「280万円から値下げしました」との謳い文句が。ん?値下げ?いや去年たしかに100万円で売主物件として売りに出てたよね?
まあ確かにバツ印が付く前の価格はよーーーーーく見ると280万円と書いているように見えなくもない、が、どちらかといえば200万円のように見える。
どちらにせよ100万円で売りに出ていたはずの物件が180万円に上がった真意を探るべく、それとなーく問い合わせをしてみたところ以下のような回答が。
弊社では■■様より当初280万円で募集の依頼を受けておりましたが10月6日より180万円に価格変更を致しました。
■■様的には100万円で売却しても良いという考えがあって現地でそのようなお話が出たかと思われますが、現段階ではその価格で募集という依頼にはなっておりません。
(補注)ブログでの記載にあたり、売主の社名は伏字にしております
現地で「100万円でも良い」などといった話が出たわけではなく元から100万円で売りに出ていたわけですが、このような要領を得ない回答が届くあたり・・・なるほど、こりゃコロナ禍で都心に近い郊外の需要が増えたことによる値上げというよりも、仲介業者のマージン等が上乗せされた結果だな・・・などと邪推した筆者でした。苦笑
その後筆者は千葉の土地を購入することとなり、こちらの売地も180万円で売りに出たあと暫くして売れたようですので、どちらにせよ「ご縁のない土地」だったみたいです。
【次回(第17回)】
【前回(第15回)】