久々の更新なのにタイトルで「何言ってるんだ?」となった皆様、ご無沙汰しております。
以前の記事でも報告した通り、2023年初頭に決済を終え晴れて「地主」となった筆者の土地は全体の75%が孟宗竹の竹林となっています。
恥ずかしながら購入後実際に竹と格闘を始めるまでは「竹林って言っても木と違って中は空洞なんだから切るのも運ぶのも生木よりは楽でしょー」くらいに考えていた(だからこそ購入検討時に「5年くらいかければドッグランにでも出来るか?」なんて考えていた)のですが、去年1年を通してこの竹林と真正面から向き合った結果そんな生易しいものではない現実を知ることとなりました。
そこで筆者は1つの結論を導き出します。この竹林と共生する方法を模索しよう、と。
具体的には・・・せっかく孟宗竹の竹林で春にはタケノコが採れるんだから、これを販売することで固定資産税の支払いやタイニーハウスのセルフビルドに向けた軍資金に充てられないか・あわよくば土地購入にかかった費用をこの竹林で取り返すことは出来ないだろうか!と考えたのです。
果たしてそう上手く事は進むのか。2024年の結果をご覧いただきましょう。
タケノコを販売するにあたって
いざタケノコ王を目指すとしても販路がなければ絵に描いた餅。たとえば筆者がフォロワー100万人単位のインフルエンサーであれば、このブログやSNSなどを駆使して呼びかけるだけで購入希望者は山のように見つかることでしょう。
しかしながらフォロワー数は雀の涙程度、ブログも現在のアクセス数は最盛期の1/50レベル(!)まで落ち込んでいる現状では、インターネットは販路として全く見込みがありません。そのため筆者は農産物直売所に活路を見出すことにしました。
交渉に行くまで、農産物直売所で取り扱ってもらうためにはそれこそ農家として地目的な意味での農地を所有し、一定規模以上の農業に従事していなければならないのだろうかと恐れ慄いていたのですが、話を聞いてみると決してそんな事はなく (※筆者が契約した直売所の場合)拍子抜けするくらいあっさりと取り扱いが決まり一安心。
今回は2箇所の農産物直売所と契約しましたが、それぞれ年会費やら中抜きの割合が少しずつ違って興味深かったです。
タケノコ収益、のその前に(表年と裏年について)
タケノコといえば毎年春先に竹林内でボコボコ出てくるイメージがあるかもしれませんが、実は他の植物ではあまり耳にしない特異な性質をもっています。
それは「表年」と呼ばれる豊作の年と「裏年」と呼ばれる不作の年を1年ごとに繰り返すこと。しかも表年の時は管理された竹林だろうが放置竹林だろうが周辺一帯の竹林ほぼ全てが豊作となり、裏年の時はこれまた周辺一帯の竹林ほぼ全てが等しく不作となるのだから実に興味深い。
なおタケノコ販売に取り掛かりはじめた本年2024年は筆者の竹林一帯は裏年にあたる不作の年であり、表年だった去年に比べて体感で収穫量8割減でした。収穫時期も去年は3月頭〜ゴールデンウィーク明けまで収穫できましたが、今年は4月1週目の時点でも1本あるかないかのレベルで4月末の3連休最終日にはもうほぼ打ち止め状態でしたからね。
今後本格的にタケノコ販売で令和のタケノコ王(棒読み)を目指すのであれば、裏年を如何にして克服するかが最大の鍵となることでしょう。
2024年のタケノコ収益
筆者が出荷した農産物直売所はどちらも売り手が販売価格を自由に決められるシステムでしたので、タケノコのサイズや色を見ながら1つ1つ価格を決めて販売しました。大きくて立派なものには1本1000円の値をつけたこともありましたし、逆に小さなサイズのものは3本100円といったお試し価格(?)で売り出したものも。
では2024年は全部でいくらの収益が上がったのか。1か所目の精算書を見てみましょう。
1か所目の農産物直売所では、4月の週末3週分で合計23本のタケノコが購入され合計売上としては10050円でした。そこから手数料(マージン)として2割が引かれ・店頭に並べるためのバーコード代として1枚1円が引かれ、最終的に振り込まれたのは8017円となりました。
あれ?振込手数料が別途かかると最初に聞いたような・気のせいだったような・・・?苦笑
とにもかくにも、この8000円強を多いと見るか少ないと見るかは人により判断が大きく分かれるところでしょうが、筆者としては「まあこんなものか」との印象でした。平日も含めて毎日売りに出してこの売上だと商売あがったりですが、週末3週分・実質的に4日くらいの販売で単価もさほど高くないタケノコですからね。
ただ将来的に「令和のタケノコ王(棒読み)」を目指すのであれば、ブランド化して1本あたりの単価をもっと押し上げないとダメだとは思います。
続いて2か所目の精算書はこんな感じ。
1か所目と違って記載項目が非常に多いですが、早い話が9本売れて売上は4500円・そこから手数料(マージン)や協賛金・バーコード代・振込手数料が引かれた結果、最終的に振り込まれたのが3446円となりました。
1か所目に比べて売れた個数も金額も控えめですが、これは他の生産者さんが安く大量に出荷したタイミングと重なったことで出荷先を1か所目へとスライドさせた日&スライドさせず出荷はしたけど価格競争の結果ほぼ全く売れなかった日が合計2日ほどあったためです。
直売所は生産者側で集客ルートをあまり考えなくて済むメリットがある反面、他の生産者との価格競争に巻き込まれる機会が多々あるデメリットもありますから、いかに早く購入者側に名前と味を覚えてもらうかが1つの鍵となるでしょう。名前と味を覚えてもらえれば、例え価格競争に巻き込まれても指名買いをしていただける可能性が格段にあがりますからね。
以上により、タケノコの収益(振込額)は2箇所合わせて11463円と判明しましたが、ではこの収益で例えば土地の固定資産税を払うことが出来るのか否か。記事執筆時点で既に税額は判明していますので、さっそく確認してみましょう。
2024年に請求された土地の固定資産税
筆者が所有する千葉の土地は厳密にいうと4筆にわかれており、そのうち極小さな2筆はその他(公衆用道路)として地目が設定されていることもあり非課税です。そして残りの宅地1筆と山林(現況では竹林)1筆が課税されています。
では実際に課税明細書をご覧いただきましょう。
宅地の方は約100坪で固定資産税評価額が706901円、そしてそれにかかる固定資産税が9896円。
それに対し山林(竹林)の方は約320坪の広さがありながら固定資産税評価額はたったの32643円!そしてそれにかかる固定資産税が457円。
合計すると今年請求された固定資産税は4筆合計で10353円でした。ド田舎なんだから非課税でいいだろ!
タケノコの収益は先ほど計算したように11463円。それに対し固定資産税の方は合計で10353円。
つまり、2024年はタケノコで固定資産税を支払うことが出来ました。
まとめにかえて
厳密な話をすれば、タケノコを出荷するために千葉まで往復したガソリン代であったり、近所の方から借りていたスコップを盗まれた(!!)ので弁償した上で自分用のものを買ったりしましたので、そういった必要経費も考慮すればもっとタケノコの収益を上げたいところではあります。
しかしながら不作である裏年でも週末のみの出荷で1万円強の売上にはなり、固定資産税を払う程度であれば十分な収益が得られるというデータは取れましたので、決して無駄ではなかったと考えています。
ところでタケノコを販売して収益を得始めたということは、ひょっとして今後は引きこもりではなくタケノコ兼業農家を名乗ることが出来るといった認識でOK?笑