先に断っておきますが、以下の内容はAmazonでよく見かける「マキタ互換バッテリー」ではなく「純正バッテリー」として販売されていたバッテリーを購入した結果、届いたものがニセモノだったというお話です。お間違いなく。
事の発端
2023年に購入した千葉の土地でいよいよ本格的にセルフビルドに取り掛かる・・・ための練習として、まずは物置小屋を建ててみようと計画中の筆者。一人でのセルフビルドですので時短のために活用できるリソースは最大限に活用すべき!との発想の元、マキタ製のマルチツールやインパクトドライバーを既に購入済みです。
本当は丸ノコも欲しいのですが、スクーターで愛犬を背負いながら東京と千葉を往復している都合上、物理的に丸ノコを運搬する術がありませんので現状ではまだ購入していません。俺、物置小屋が完成したら丸ノコを買って収納するんだ・・・(死亡フラグ)
これら電動工具を使用する上で、千葉の土地にはまだ電気水道といったライフラインが何も引き込まれていませんから、必然的に有線式ではなくバッテリーを用いたコードレスタイプを選ぶことになるわけですが、バッテリーも使えば当然電池残量が減っていくわけですから「電動工具が2個ならバッテリーも2個で十分だよね」とはならないのは容易に推測していただけると思います。
そこでAmazonにてリチウムイオンバッテリー単品を追加購入しようとしたのですが、それがまさかこんな結末になろうとは。。。
購入ページ上は間違いなく純正品
「Amazonで買ったって言っても、Amazon上には純正品だけでなく互換品も山のように出品されているんだから、どうせ純正品と間違って互換品でもポチッたんじゃないの~?(鼻ホジー)」と思われた読者の皆様。
筆者は間違いなく純正品の販売ページにアクセスし、中古品ではなく新品の出品であることを確認したうえで購入手続きを行っています。そもそも筆者は互換品の品質を一切信用していないので。
記事執筆時点ではご覧の通り17560円の値段が付いていますが、筆者が購入手続きを行った7/13の時点では価格が14227円となっており、直前数日に比べて値段が下がっていたこともあって購入に踏み切ったのでした。
購入後、何があったのか
「詐欺にあった」といったセンセーショナルなタイトルをつけていますので、購入したバッテリーが発送されなかったのかと思われるかもしれませんが、届いたことは届いたのです。紆余曲折を経て色々と問題のある物が。
まずAmazon側から商品の発送連絡があった次の日に「返品処理に伴う返金が完了しました」といった旨のメールが突然届き、こちらは返品処理自体していないのにどういうことなのかと悩む暇もなく、続いて佐川急便から「代引でお届けのお荷物を発送」した旨のメールが届きました。
以前、AmazonではなくYahoo!ショッピングの方で「予定していた商品が入荷できなくなり止む無くキャンセルさせていただきたいのですが、システム上の都合で返品という形を取らせていただきます。お客様にはご迷惑を(以下略」といった事がありましたので、もしかしたら今回もそのような状況となり、一度は入荷見込みが立たなくなったバッテリーが再入荷したので発送されたのだろうか」などと都合よく解釈していました。
※これを正常性バイアスといいます。
そもそもAmazonでクレカ決済を行っていたものが、請求金額が1円単位で全く同じだったとはいえ代引きで送られてきた時点でもっと危機感を抱くべきだった、と今振り返れば思います。本当に今更ですが。
そういった経緯を経て、実際に昨日7/18に佐川急便の方が商品を届けて下さり、代引きなので料金をお支払いして受け取り中を確認したところ出てきたのが以下のバッテリーです。
届いたバッテリーは何かおかしい
論より証拠、こちらをご覧ください。
ぱっと見では違いが分かりづらいですが・何なら筆者も初見では「ああ、紆余曲折あったけどちゃんとマキタの純正バッテリーが届いたわ」と騙されかけたくらいですが、よーく見比べるとロゴやフォントが微妙に違います。
※左側は筆者が以前購入し継続使用しているため使用感が見られますが、正真正銘の純正品です。
妙に気になって(※ただしこの時点ではまだ純正品だと思い込んでいる)裏返してみたところ、出てきたのがこれ。
この時点で「あっ・・・(察し)」となりました。
一応、更なる正常性バイアスとしては「ほ、ほら、たまにある海外からの並行輸入品かもしれないし・・・(震え声)」みたいな思考になる人も居るかもしれませんが、そもそも今回の模造(偽造?)品にはPSEマークが無い時点で日本国内で販売してはならない品であり、ユーザー側としてもこんなもの恐ろしくて普段通りに使用・充電などとてもできません。
ちなみにこの時点で検索をかけてみたところ、マキタ社からの注意喚起ページがヒットしました。
以後はこの公式ページの情報を元に、今回の模造(偽造?)品をもう少しじっくり見てみます。
バッテリーを工具から脱着したり、充電器から取り外す際に使用するこの白いボタン(?)には、取り付け確認用の赤いシールが貼られています。しかし今回届いた右側の模造(偽造?)品にはそのシールが見当たりません。
ちなみにこの赤いシールの存在は今回の件で確認して初めて知りました。笑
また、バッテリーを製造する上で発生するビス止め穴のうち1か所には、純正品の場合写真左側のように白いキャップが装着されているのですが、今回の模造(偽造?)品にはやはりというか何というかそんなもの一切見当たりません。
ちなみにこの白いキャップの存在は(以下前段落と同文)
他にも充電端子の形状を覗いてみるとあからさまに違いましたが、写真にはうまく映りませんでしたので割愛します。
今回の件を教訓とするために
正直なところ、互換品を購入して今回のようなものが送られてきたのであれば・・・自業自得とまでは言い過ぎかもしれませんが、ある意味では「純正品ではない」と分かった上で購入しているはずですので「だから言わんこっちゃない」と失笑話になるかもしれません。
しかしながら今回の場合、純正品の新品を購入する目的で実際にAmazonの商品ページでも純正品であるかのように表記された・あるいは厳密には純正品を出品しているほとんど全てのストアに紛れて、たまたま今回のようなものを売りつけてくるストアがあっただけなのかもしれませんが、どちらにしてもショックは小さくありません。
ここまで確認したうえで、なお今回のような「逆の意味での大当たり」のストアを引いてしまった筆者として、いくつか今後の教訓となりうる情報をお伝えします。
可能な限りAmazonが(販売・)出荷する出品を選ぶ
まずは基本のキとして、Amazonが販売・出荷している商品であればAmazonが保証義務を負うことになるため、しっかりと検品が為された正規品が送られてくる確率が高いです。高いです、というよりは確実に正規品が送られてくるはずです。Amazonの名で販売・出荷した結果純正品ではなく模造(偽造)品でしたー、ではAmazonの評判に大きく関わりますからね。
しかしながら、Amazon以外のストア(マーケットプレイス)の出品の方が少し安い場合も多々あります。物価高が続く昨今において、少しでもお得に買い物をしたいと思うことは決して悪いことではありません。その場合どうすれば良いか?
Amazonマーケットプレイス保証が使える範囲内で取引を行う
Amazon以外のストアが出品を行う、いわゆるAmazonマーケットプレイスの場合「Amazonマーケットプレイス保証」という制度があります。
Amazonのウェブサイトを通して支払いを行っている場合はこのマーケットプレイス保証の対象となるようですが、注意が必要なのは今回のように一度Amazon上で返品・返金扱いになったあと最終的に代引きで取引を行うといったAmazonのウェブサイトを通さずに支払いを行った場合は保証の対象外となるようです。
言い換えれば、今回の出品者はそういった制度のことを熟知したうえで確信的に詐欺行為を行ったと言えます。
結局、筆者の場合はカスタマーセンターへの連絡後、Amazonサイドからの指示通り最寄りの警察署へ出向いて相談届の提出を行い、その後Amazonサイドとしてどのような対応が可能か検討の上で連絡を頂ける手筈となっております。
ちなみに同じような被害が他にも無いか、今回の出品者のページを確認してみたところ・・・
めっちゃいるじゃん。
しかも手口が筆者が遭ったものと全く同じ。筆者だけが間抜けなわけではなかったのだ!
出品者の評価に注目する
既に今回の出品者は詐欺が明るみに出る前にトンズラしたのか、当記事執筆時点でストアページを確認しても出品が何1つ無い状態になっていますが、筆者が購入・決済を行った時点ではまだ「新規出品者」として評価が1つもついていない状態でした。
今までは購入時に一応出品者の評価パーセンテージ及び購入者のコメントもチラッと確認してはいたのですが、今回に限って新規出品者であることに何の疑念も抱かず決済してしまったのは非常に迂闊だったと言えます。
ですので今後は出品者の評価パーセンテージや購入者コメントだけではなく、評価数そのものもしっかりと確認したうえで、比較的信頼のおけるマーケットプレイスから購入を行おうと思います。いや今回の件に懲りてAmazonが販売・発送する品を購入しろよ。
まとめにかえて
まさか自分がこのような模造(偽造?)品をつかまされることになるとは思いもしませんでしたが、今回の件を教訓とし注意喚起の目的でこの記事を執筆することにしました。
なお警察への相談届提出後、この先Amazonサイドからどのような対応があったかにつきましては、例え特例として全額または一部補償対応となった/あるいはマーケットプレイス保証の対象外取引であったことから補償は残念ながら無かったとしても、どちらにしてもこのブログに記載してあることを根拠としてAmazonサイドに何か対応を求めるといった新たなクレーマー問題を引き起こすことは本意ではありませんので、当記事執筆時点では最終的な顛末については言及しない旨ご承知おきください。(※当記事執筆時点、なんて書き方をしていますが恐らく今後も言及しません)
最後に改めてマキタ純正バッテリーと今回の模造(偽造?)品の裏側の表記を見比べておきましょう。
純正品にはPSEマークがあります。
色々とそれっぽくは書かれていますが、PSEマークが無い時点で色々お察し。しかも純正では右下にある急速充電対応を示す雪マークの代わりに太陽マークって何かのギャグかな?(棒読み
それでは皆様、良きAmazonライフを。