色々あって「トイプードルの愛犬を、広いお庭で走り回らせてあげられるような家に住みたい」と思うようになり、その第一歩として土地を探すことにした筆者。
「土地を探す」と一口に言っても場所や予算の都合などなど、考慮すべき要素がいくつもあります。
この記事では、土地を探し始めた最初の頃(2019年)はどういう条件で土地を探し始めたのか・そして土地を探す上で確認しておくべきだと感じたポイント等を纏めてみました。
求める土地の条件
東京・副都心地域まで無理なく通える範囲
筆者は現在在宅勤務で生計を立てており、基本的には出社の必要がありません。
しかし「全く出社しなくてよい」かと聞かれればそういうわけではなく、コロナ禍が始まるまでは年に合計でだいたい1ヶ月分くらいは出社する機会がありました。
今後(2023年以降)出社の機会が以前のような感じに戻っていくのかはまだ分かりませんが、もしまた出社の機会が出てきた時に例えば「最寄り駅までスクーターで約30分・そこから本社最寄りまで電車で片道4時間!」なんて場所の土地を買ってしまっては、出社することがまるでエクストリームスポーツであるかのような事態になりかねません。
愛犬と暮らしていなければ「出社の時だけ本社の近くのネットカフェ等を利用する」みたいな方法もあるにはあるでしょうが、そういった場所に愛犬を連れて入店できない以上それは非現実的。
そのため、本社がある副都心地域まで無理なく通える範囲(毎日通うわけではないので、多少の無理は覚悟の上)で土地を探すことにしました。
広さは出来れば100㎡以上
実のところ、この「100㎡」という数字に明確な根拠はありません。
強いていえば、今住んでいるワンルームマンションがだいたい24㎡で、一人暮らしなら充分な広さではあるけれども室内飼いの愛犬と暮らすには少し手狭に感じている。
ということは、体感的に新居では30㎡以上を確保したいところ。そうすると選ぶ土地の建ぺい率がどのくらいになるかにもよるが、60%地域だと最低でも土地面積は50㎡必要となる。*1
じゃあその倍の100㎡あれば必要に応じて物置小屋の増築なんかもできるし、愛犬を走り回らせる庭も確保できる!やるかどうか分からないけど、家庭菜園スペースだって用意できるかもしれない!
・・・このようなアバウトな考えで100㎡以上の土地を探し始めましたが、その後実際に売地を見に行くに連れて、100㎡が意外と広くない・なんならむしろ狭いとさえ感じるようになります。苦笑
ライフラインが通っていること
世の中にはオフグリッドで暮らしている方々や、Bライフと呼ばれる修行僧のような暮らしを実現されている方々もいらっしゃり、そういった方々にとってはライフラインは必ずしも生活必需品ではないみたいですが、在宅勤務で愛犬と暮らす筆者にとっては電気も水道も下水(排水)も必需品です。
東京で賃貸住まいだと、家まで水道が通っていることは当たり前のことだと思いがちですが、調べてみると「地方では家から数10m先までしか水道管が通っていない」なんてこともザラにあるようです。その場合、家まで水道を引き込むのになんと100万円以上かかることもあるのだとか!
そのため、売り土地に電気が引けることに加えて、可能であれば既に水道が土地に引き込み済みの条件で探すことにしました。
ちなみ当記事時点では敢えて触れていませんが、その後実際に土地を探し始めると「実は上水道の確保よりも排水の処理のほうが手間がかかる」と学習することになります。排水って下水道につないでポイ〜〜〜だと思うでしょ?実際、筆者もそう甘く考えていましたからね・・・
Bライフの方々が実践する「洗剤等を極力使わず排水は畑に撒く」手法*2も、愛犬のシャンプーを自宅で行う(ことでシャンプー代を節約している)身としては実践不可能ですし。
セルフビルドが可能な土地
「家って自分1人で建てられるものなのか?」
この答えはYESでもありNOでもあります。
法的な部分についてものすごく大雑把に説明すると、木造で2階建までの範囲であり・延べ床面積が100㎡を超えない住宅であれば、建築士に設計を依頼することなく自分で設計して建築確認申請を通すことが出来、更には都市計画区域外のうち建築基準法第6条区域や第22条区域に該当しないのであれば建築確認さえも必要なく工事届のみで建築が可能になりますので、自分1人で家を建てる法的ハードルがグッと下がります。
補足すると、現実的な話として建築確認申請を建築士の手を借りることなく自力でやるためには提出するべき書類が膨大にある*3ため、セルフビルドを行う場合は建築確認申請を必要としない都市計画区域外の土地を選ぶ人が多いみたいです。
ただ、本当に都市計画区域外に絞って土地を探すとなると、もう完全な山の中だったりものすごく田舎の奥の方だったり・・・と生活していく上で不便極まりないので、このセルフビルドに関しては求める土地の必須条件ではなく「出来ればいいな」くらいに留めておくつもりです。
なお、「家を建てることそのもの」に関して、何か資格が必要となることはないようです。資格が必要になるのは、電気工事や水道工事といった付帯工事であったり、先ほど申し上げた建築確認申請を簡略化するため(?)の建築士による設計であったり、そういった部分です。
ところで、どうして「なぜセルフビルドが可能な土地を探すのか」についてですが、これは数年前から海外を中心に発生しつつある「タイニーハウスムーブメント」であったり、国内でも先ほどチラッと言及した「Bライフ」や「小屋暮らし」と呼ばれる、言わば「足るを知る」的な暮らしをされている方々のブログや動画を見て興味を持ったからですね。
国内でBライフの暮らしや小屋暮らしをされている方々の情報を拝見する限り、更地に10㎡程度の小屋を建てるのに必要な額がウッドショックが起こる前・つまりコロナ禍前であればおよそ50〜80万円程度。じゃあそれを2つ作れば倍の100〜160万になるわけだから、その2つの小屋を小屋1つ分開けて間を連結することで30㎡程度の広さになるし、小屋のグレードにもよるだろうけど140〜220万程度+屋内諸設備(これが実はめちゃくちゃ高い。汗)で30㎡の家を手にすることが出来る・・・かも知れない!
これなら35年フルローンを組まなくても、年単位の時間をかければ自分も家を持てるのでは???
セルフビルドを検討する動機の1つとしては概ねこのような感じです。我ながら単純ですね(笑
しかし2023年現在では、コロナ禍こそ終息に近づきつつあるとはいえまだまだウッドショックは継続中であり、木材の価格がかつての2倍以上に跳ね上がっているため上述した価格では到底建てられません!嗚呼世知辛いこと。。。
気温が暖かい場所であること
日本と一言でいっても北は北海道から南は沖縄まであり、寒い地域や暑い地域・雨の多い地域や少ない地域など様々です。
土地を探す上でそういった気候面は決して見過ごすことは出来ず、現実問題として筆者も愛犬も「暑さには比較的耐性があるが寒さにはめっぽう弱い」事実があります。
そんな1人と1匹が、雪がドカドカ降ったり冬場の気温が氷点下数℃まで下がるような、寒い地域の土地を買うなんて愚策は是が非でも回避せねばなりません。
必然的に、購入候補地は「温暖な地域で、出来るだけ標高が高すぎない場所」に絞られることとなりました。
・・・その上であと1つ条件を付け足すとすれば、温暖な地域の中でもやっぱり津波の心配が少ない=海からある程度離れている場所がいいですかね。愛犬に至っては、これまでの犬生においてプールなどの泳げるような場所へ一度も連れて行ったことがないので、果たして犬かきが出来るのか否かすら分かりませんし。苦笑
もっとも津波に飲まれたら犬かきもくそもへったくれもないですけど。「リスクも負わずにチャレンジなんか出来るか甘いわ!」と怒られるかもしれませんが、そもそも論として負うべきリスクと負わなくていいリスクの取捨選択(リスクマネジメント)は必要だと考えています。
最終的に見定めた土地探しの候補地域
池袋・新宿・渋谷といった副都心地域へあまり無理せず通うことができ、ライフラインが通っている=田舎すぎない場所でセルフビルドが出来れば尚良し、それでいて気候的に暖かく津波の心配が少ない場所。
これらの条件を満たすところで予算の範囲内*4に収まりそうな場所はどこだろうかと考えた時、最終的に候補地として残ったのは千葉の房総半島および静岡の伊豆半島(のうち、標高があまり高くないところ)となりました。
共通項としてはどちらも海洋性気候に属すると思われる地域なので、例えば関東平野の中でも内陸部にあたる北関東のように「冬の冷え込みが氷点下10度に迫る勢いでめちゃくちゃ厳しい」・・・なんてことは恐らく無いでしょう。
千葉の場合、九十九里浜に近いと津波の心配が出てくるので、ある程度距離を物理的に離しつつ売り土地そのものの標高もチェックしておくこと。
伊豆半島の場合は海岸沿いであっても割と標高が高い場所が多いので、純粋に売り土地が伊豆半島の山の上過ぎやしないかチェックしておくこと。(ただし東海地震等の大地震においては、ハザードマップで震度7と明言されている地域である以上、津波よりも揺れの大きさの覚悟は必要)
ただ、伊豆にするか千葉にするか・・・この記事を公開する時点では既に千葉の方を選択し土地を購入した後なのですが、実のところ最後の最後まで迷い悩みぬきました。
環境面では個人的な印象として伊豆の方に軍配が上がったものの、将来必ず来ると言われている東海地震や東南海・南海地震のことを考えると、少しでもそれらの震源域から離れている千葉の方が良いのではないか?いやでも「毎日暮らす」ことを考えれば、やはり環境面を重視した方が良いのではないか?
主にそういった部分での悩みですね。
では今後、実際に土地を見に行った感想であったり・ネット上で土地を探す上で注意した方がよいと感じたポイントなどを順次記事にしていきます。引き続きご覧下さい。
【次回】