私事ではありますが、去る2019年11月25日より12月2日まで、虚血性大腸炎にて緊急入院をしておりました。
まさか自分の身にこのような事態が降りかかるなんて思ってもいませんでしたし、人生初の「ある意味貴重な経験だらけ」でしたので、この場にてその記録を体験談として残しておこうと思います。
なおこの記事の90%は、入院中にモバイル回線(エキサイトモバイル)が速度規制・・・の中の更なる速度規制(←)を受けて、暇で暇で仕方なく暇を持て余していた時に書き散らかしていたものであり、全部きっちり読むと約7500字になってしまっています。
お時間のある時に全部読んでいただくか、見出しを頼りに気になる部分を読んでくださいね。苦笑
- 虚血性大腸炎発症までの顛末
- 虚血性大腸炎とは?
- 入院中の生活
- 病室(4人部屋)でのあれこれ(一部抜粋)
- 院内食
- 看護師(ナース)は優しい?性格がキツイ?
- 医療費関連について
- 高額療養時における限度額適用認定証
- 医療費(自己負担)総額
- 今回の学び
虚血性大腸炎発症までの顛末
11月24日の夕食後、洗い物を済ませた頃から左下腹部のあたりの猛烈な腹痛に襲われ始め、とりあえずトイレに篭ってみたもののブツが出てくる気配が全くありません。
そうこうしているうちに、めまいや喉の渇き・そして尋常じゃないほどの発汗が始まり、これは何かがおかしいぞ?と思い始めます。
そのため途中で一度トイレから出て、コップ1杯の水を飲んでから再度トイレに籠ること約20分。最初はSiriからコロコロとしたunkoしか出ませんでしたが、途中からはドバッとゲーリー氏が放出されました。(※一部特殊な表現を用いています。以下同文)
※ゲーリー氏に関する懐かしい(?)記事:
「ああ、いつもの便ピーとゲーリー氏を繰り返すタイプのアレだったのかな」とその時は思っていたのですが、今回はその後も就寝時までお腹の痛みが全く治りません。
しかし翌日は月曜日。残念ながら朝からお仕事があるため、あまり夜更かしはしてられません。ですから腹痛に耐えつつもベッドに入りました。
夜中2時。
やはり猛烈な腹痛に耐えかねて、フラフラしながらトイレに篭り踏ん張ること数分。水のようなゲーリー氏がSiriから放出されました。
いや、放出された「と思っていました。」
相変わらず腹痛は治まる気配を見せないもののの、出すものは出したのでSiriを拭くためにSiriを浮かせてふと便器を見たところ、目に入ってきたのは鮮やかな赤色の血便。いやむしろただの血。
ん?なんだこれは?ゲーリー氏にしては異様に赤い。でも自分は痔主ではないからSiriから血が出るはずなんてない。そうだきっとこれは寝ぼけているんだ。きっとそうに違いない。
見事なまでの正常性バイアスをかまして、その時はSiriを拭き手を洗い・水を2口飲んでから・やはり猛烈な腹痛に耐えつつベッドへと戻ったのでした。
とはいえ猛烈な腹痛のなか満足に眠れるはずもなく、時間だけが過ぎていった朝5時。
やっぱり便意を催したのでフラフラしながらトイレに向かい、いやちょっと待てよ?と思ってスマホを手に取ってから改めてトイレに向かい踏ん張ること約10分。水のようなゲーリー氏がSiriから放出されたかのような感覚がありました。
しかしこれは3時間ぶり2回目。心の準備はできています。
意を決してSiriを上げ、振り返って便器に目をやったところ、目に入ってきたのは3時間前と同じ光景。
ああ、こりゃあ今日は朝一で病院に行かねばならないな。その時にきっと必要になるだろうから、この血便・いや下血を写真に収めておかねば。
自分でも驚くほど冷静に、それでいてお腹の猛烈な痛みに耐えながら手を洗ってスマホで写真を撮り、水を1口だけ飲んでからフラフラしつつベッドへ戻りました。
朝方にちょっとだけうとうとしつつ、気づけば朝8時。
シャワーを浴びる前にもう一度トイレに入っておこうと考え、踏ん張ること約10分。夜中や朝方と全く変わることなく下血が放出されていることを目視し、何食わぬ顔でシャワーを浴びてまずはかかりつけ医の元に向かいました。
お腹が痛いのは相変わらず。
かかりつけ医にて。
1時間半ほど待った上で医師に事の顛末を伝えたところ、帰ってきた言葉は「恐らく虚血性大腸炎だと思われるが、念のため検査をしてもらった方が良いので紹介状を書きましょう」との事。
時間はすでに11時を過ぎ、紹介状を持参したとして午前の部での診察が可能か微妙なタイミングになりつつも、医師同士で話をつけてくださり急患として受け入れていただく手筈が整ったので、その足で急いで受け入れ先の病院へ直行しました。
昼12時。
受け入れ先の病院へ到着し、諸手続きを終えてしばらく待ち、診察をしていただいたところ「恐らくは虚血性大腸炎だけれども、他の病気の可能性も考えられるので造影剤を投与してCTを撮りましょう」といった流れに。
造影剤?何それ?入れた直後に顔が火照ったり息苦しくなったりする?喘息持ちだと稀に副作用?へ?小児喘息は持ってたんだけど大丈夫なのか?
自分が置かれている状況に不安を覚えつつも、検査を受けて出てきた結果は「ほぼ虚血性大腸炎で間違いなし」。その上で「絶対安静なので即入院です」のおまけ付き。
ちょーっと待ったー!お仕事の事もあるし、何より犬を飼っているので預ける準備等が必要だから即入院と言われても・・・
「誰か親族とか知人で手配できる人は居ないんですか!(若干キレ気味)」
いや親族とかそんな頼れる立場の人なんて居ないし、知人って言われてもそもそも今日はド平日・月曜日の真昼間なんだから、そんなフラフラ出来る人っていませんよぉ・・・
「・・・じゃあ2時間だけ外出許可を出すので、今すぐにその辺りの手配をして来てください。終わったら可能な限り早く戻ってくるように。活動して腸が動くと痛みが増す病気ですからね。」
このような流れで、記憶にある限りでは人生初となる入院生活が慌しくもスタートしました。
なお入院期間は当初4日程度の話だったものの、入院生活スタート後の部長ストップにより1週間程度へと延長された模様。3泊のつもりだったからそんなに着替えは持ってきてないんだが・・・
虚血性大腸炎とは?
ここまで何度かキーワードとして出てきた「虚血性大腸炎」
私も生まれて初めてかかったこの病気ですが、簡単に説明すると腸の内部の血流が一時的に悪くなり、そこが炎症を起こす事で出血して下血する(Siriから血が出る)症状だそうです。
対策としてはひたすら安静にし、絶食して腸の動きを休めることになるんだとか。え?絶食?何も食べちゃダメなの?ウイダーインゼリーは?プリンは?バナナはおやつに(ry
「ダメです。接種していいのは水とポカリスエット(※アクエリアスも可)のみです。入院中は栄養も水分も点滴から取ってもらいます」
その日の朝は病院へ向かうことを優先して何も口にしませんでしたが、どうやらその選択肢は図らずも大正解だったようです。
入院中の生活
前述の通り絶対安静&絶食を言い渡されていますから、24時間常に点滴を繋いでおり、口から接種できるものは持ち込みを許可された水とアクエリアスのみ。
入院生活ということで、カロリーや栄養素を完璧に計算し尽くされた院内食(1日の必要カロリー量に達しているとは言っていない)が他の患者の元へ届けられるたびに少し興味を惹かれましたが、その院内食を口にできるのは入院してから4日目の昼に出される流動食まで待たねばなりませんでした。
※病室や院内食の写真を撮りたかったのですが、プライバシー保護の名目で院内は全面撮影禁止だったため、この先もそのあたりの写真はございません。予めご承知おきください
そして私に割り当てられた病室は4人部屋。睡眠障害を患っている人間にとって、残り(最大)3人のイビキレベル次第では文字通り死活問題となります。
一応個室も空きがあったことはあったのですが、1泊あたり1万5000円ほどの特別料金が加算されると聞いて、さすがに1週間で10万円もの追加料金を負担するのは金銭的に厳しいものがあるので限界まで気合で耐えることにし、気休め程度に耳栓を購入して入院生活に臨みました。
病室(4人部屋)でのあれこれ(一部抜粋)
相部屋なので基本的には自分以外に誰かしら患者さんがいらっしゃり、プライバシーはベッドの周りをぐるっと囲むカーテン1枚のみです。一応ルールとして「テレビを見る場合はイヤホン使用」「病室での通話禁止・通話時は指定場所まで移動」といったものがありましたので、そこまでストレスフルな環境ではありませんでしたが。。。
ただ、やはりネックとなったのは聞こえて来るイビキでした。
特に初日の相部屋だった患者さんは夕方の時点で既に地響きレベルのイビキを発しており、思わず看護師さんに部屋の移動が可能か聞いたくらいでした。苦笑
もっとも、部屋に関しては介護レベルの高い患者さんを優先的にナースステーション近くへ配置する関係で、猛烈な腹痛に見舞われているが自力で歩ける私はナースステーションから一番遠い病室でしたので、残念ながら部屋の移動は認められず。
地響きレベルのイビキの患者さんが次の日に退院しなければ、1万5000円を払ってでも個室へ移るか真剣に検討していたかもしれません。
その後、2日目に同室となった患者さんは絵に描いたようなジェントルマンでしたが、3日目から退院日まで一緒になった患者さんは一転して絵に描いたような粘着性クレーマー気質だったり・・・
入院してきて開口一番で
「なんでこういうミスのある書類をそのまま持ってくるわけ?(※傍目に聞いている分にはミスって程のものではない)」
「なんでキミ(看護師)は自分のミスを認めずにそうやって言い訳ばかりするわけ?(※そもそも看護師さんのミスではないし、その場で代わりにキチンと謝っている)」
「ボクは細かい人間だからね、覚悟してもらいますよ(その後夜勤の看護師さんにも自慢げに伝えている)」
とまくし立てるタイプの爺さん(推定60代)
しかもそのことを、後に面会にやってきた奥さんに武勇伝の如く自慢している始末。。。たぶん「老害」の意味を辞書で引いたら、あの爺さんが出てくるんじゃないかと思います。反面教師という意味でも100点満点の人材ですね。苦笑
院内食
入院4日目の昼ご飯から食事が解禁となり、記念すべき最初の食事は「流動食」と呼ばれるものでした。
事前に「お粥をドロドロにしたような感じの食事で、食事というような代物ではない」とドクターからは言われていましたが・・・出てきたそれはものの見事に固形成分0!
メニューは「重湯(お粥の上澄みの水分のみを掬ったようなもの)・コーンスープ(もちろん固形成分なし)・りんごジュース(すり下ろした果実すらも見当たらない)」でした。当然のように咀嚼を1度もすることなく完食(完飲?)
食事をしたという気分には当然なりませんでしたが、それでもコーンスープという「4日ぶりに口にする味のついたもの」には軽く感動すら覚えました。笑
結局4日目は夜も流動食でしたが5日目の朝からは徐々に固形成分が増えていくと同時に24時間繋ぎっぱなしだった点滴も外れ、6日目の昼からは退院に向けて消化の良い通常食へとグレードアップ!
ただし「消化の良いものに限定された通常食」だったためか・あるいは元々がそういう計算なのか、成人男性が1日に必要とするカロリー量には届いていないこともあり、結局入院期間中に2kg以上も痩せてしまいました。
看護師(ナース)は優しい?性格がキツイ?
ここで少し趣向を変えて、入院中に大変お世話になった看護師さんの話題を1つ。
「女性の看護師(ナース)」といえば、恐らく今も昔も合コン(や一部マニアックな性癖の人々の間)では人気上位に入る職業かと思います。
人のために尽くすそのお仕事内容から「優しそう」「癒し系」「白衣の天使」みたいな印象を抱いている方々も多いかと。
今回、1週間に渡る入院期間で看護師さんを見ていて痛感したことですが、語弊を恐れずに言うとこのお仕事は実際には「本当に気が強くないと務まらないだろうな」、ということです。
入院患者は老若男女様々な人間がおり、看護師さん1人でたぶん10人前後の患者さんを受け持ち、点滴や採血といった仕事から必要に応じてトイレの付き添いに至るまで多種多様な業務を分単位でこなしつつ、患者からナースコールで呼ばれたら直ぐに飛んでいって対応する。しかも患者は歳を取れば取るほど、上から目線の高圧的な態度で家政婦を顎で使うかのような傲慢な態度を取る傾向が な ぜ か 強く、それでも嫌な顔1つせず対応せねばならない。それでいて勤務体系も日勤だけではなく夜勤もある不規則な勤務。
部外者のイメージとはかけ離れたレベルでフィジカル&メンタルの強さを求められる職業、それが看護師(※一個人の主観です)
これじゃあ「あたし、困っている人に寄り添って人の役に立てる仕事につきたい!」みたいな神のような動機で職についた、性格の優しい女の子がもし仮にいたとしても・・・この労働環境では直ぐに潰されてしまいかねないよな〜と感じます。あるいは仕事を続けていくうちにどんどん気が強く・性格がキツくなっていかないと、芯が強くならないととてもじゃないが続けてられないでしょう。
今回の入院で患者の立場から看護師さんを観察していて、金輪際「癒し系」だの「白衣の天使」だの、そんな失礼な目線で看護師さんのことは二度と見るまいと固く心に誓いました。苦笑
医療費関連について
病院で診てもらったその場で緊急入院を言い渡されたことから、その時点で医療費がある程度高額になることはあらかじめ覚悟はしていました。だがしかし、これまでで入院経験といえば、数年前に睡眠障害の検査入院をしたあの1回のみです。
※検査入院時の記事:
今回のような1週間にも渡る入院は経験が無いため、果たして幾らかかるのか皆目見当もつかないまま入院生活がスタートしていました。
では、いったい1週間の入院で幾らかかったのか。驚愕の結果はこちらです。
入院費(11月分):75690円
食事代(11月分):3680円
入院費(12月分):19320円
食事代(12月分):1840円
小計:100530円
ある程度覚悟はしていたと言えども、私にとっては文字通り「絶句」する金額です。なんなら普段の1ヶ月分の予算に迫る金額です。1ヶ月分の予算を1週間で使い切ってしまっては、残りの3週間をどうやって生活すれば良いのか!助けて○ラえもん!
高額療養時における限度額適用認定証
加入している健康保険によって名称が違ったりするのかどうかちょっと分かりませんが、少なくとも私の場合は確認したところ「限度額適用認定証」というものを提出することで、自己負担額(3割負担)に上限が設けられてそれ以上の支払いを免除されることが分かりました。
例えば私の場合、標準報酬月額26万円以下(年収目安約370万円以下)の所得区分エに該当し、この場合自己負担限度額が57600円となってそれ以上の支払いは免除となります。
ただし食事代については自己負担となっているため、自己負担限度額とは別に実費で徴収されます。
なんだって!あんな咀嚼要素0の流動食であっても1食につききっちり460円取られるのか!
自己負担の食事代はともかく、医療費に関しては3割負担の自己負担額が青天井にならないこの素晴らしい制度ですが、2つほど注意点があり・・・
自己負担限度額の計算は月ごとに行う
今回、私は11月の末から12月にかけて入院しましたが、この場合入院日〜11月30日までの入院費用などを足していき、57600円に達したところでそれ以上は支払い免除。
そして残りの12月2日(退院日)までは、12月1日から新たに計算し直して57600円を超えるか否かで判定を行うそうです。
つまり、変な言い方ですが、月をまたいで入院すると自己負担額が多くなってしまう!!
仮に入院があと2日早く、それに伴って退院日も11月30日になっていれば、全入院期間が11月中に収まるため支払額の限度は57600円(+食事代)で済んでいたのです。トホホ。
限度額適用認定証の提示は当該月の月末まで
もう1つの注意点が、限度額適用認定証は原則入院時に受付で提示を行う必要があり、今回の私のように緊急入院で限度額適用認定証の発行が間に合わない時は速かに発行・提示しなければなりません。
しかも当該月の月末までに提示しないと限度額が適用されないため、ひと月あたり57600円以上の支払いを求められることになります。
※今回は入院のタイミングが月末だったこともあり、最速で認定証を手配しても末日までには間に合わない旨を伝えたところ、特例で証書の到着まで支払いを待っていただけることになりました。とはいえ普通は間に合わないと適用されないため、入院が決まった時点で直ぐに認定証の手配を行うようにしましょう。
ただこの話にはもう1つカラクリがあり、仮に限度額適用認定証の発行が間に合わなくて青天井に支払ったとしても、だいたい3〜4ヶ月後に超えた分が返っては来るそうです。
なので最終的な支出額としては変わらないみたいですが・・・それでも先払いという形で青天井に請求されるのは心臓に悪いので、なるべくならば入院が決まった時点で早急に発行手配をしましょう。
そんなわけで、最終的な入院・診療費用は・・・
医療費(自己負担)総額
合計:82440円
これを高いと見るか安いと見るかはあなた次第。
なお、この入院1週間中に預けていた犬のペットホテル代は約3万円でした。結局こっちも合計すると11万円になるのね(白目)
今回の学び
- Siriから下血するとめちゃくちゃびっくりする
- 流動食は飲み物。お粥は5分粥が一番美味しい
- 確定申告での医療費控除だけでなく、月あたりでも自己負担限度額が決まっている
- 実はまだ「虚血性大腸炎」で確定はしていない
退院の時点でも「恐らくというかほぼ虚血性大腸炎で間違いないけど、ちょっと気になる数値もあるし、出血の原因をはっきりさせておきたい」と言われまして、実は今度改めて内視鏡検査を受けることになりました。
「若いから痛いだろうし、点滴で静脈麻酔を入れながら検査するんで・・・」なんて言われては、今から恐怖で夜も眠れません。。。あ、夜に睡眠薬無しで眠れないのは元々だったか←
【追記】内視鏡検査の結果、医師の方が懸念されていたクローン病や潰瘍性大腸炎の可能性は消え、虚血性大腸炎で確定しました。
最後に今回の診療明細書をご覧いただきましょう。
こんな長い診療明細書、今までの人生で見たことないわ!!