天井が普通の物件の倍以上ある今の家に引っ越してきて初めての夏。
「暖かい空気は軽いので上に溜まり、冷たい空気は逆に床の方へ溜まる」という小学生でも当たり前の事実を再確認するには十分すぎるほど、ワンルームの部屋の床付近に比べてベッドを置いているロフト空間は非常に暖かい日々(棒読み)が続いています。
具体的には、床付近とロフトで室温が2℃は違いますからね。夜パソコンをしながら「ああ32℃か、なんとか扇風機でやり過ごせるギリギリかな」なんて考えている頃、ロフトにあるベッド付近は34℃まで温められているわけで、さすがにそのままで寝るのは寝苦しいだけでなく熱中症の危険も伴います。
そこで少しでも快適かつ良質な睡眠を取るべくエアコンをドライモードで稼働させるわけですが、そのままでは床付近が冷やされるだけで実はロフトまで冷気が伝わりません。しかも設備として元々設置されていた我が家のエアコン、ドライモードはなんと温度指定ができず「室温-2℃(※設定可能範囲は-2℃〜+2℃)」みたいな設定のみを行うかなりレアな機種のようでした。マジかよ・・・。
このままではエアコンで電気代が爆死しかねませんし、「エアコンを使うときは扇風機を併用して空気を循環させましょう」なんて言われても、部屋の床から約3mの高さにあるロフトの床面までなんて、どれだけ扇風機を上向けた所で届く気配すらありません。
そのような理由で今回は、扇風機と似て非なるものであるアイリスオーヤマ製のサーキュレーター「PCF-HD15-W」を購入しました。
皆さんには扇風機とサーキュレーターの違いといったそもそもの部分も含めレビューと実際の効果をご覧いただいて、これからの夏を乗り切る参考に役立てていただければと思います。
扇風機とサーキュレーターの違い
扇風機とサーキュレーターはどちらも羽が回転して空気を動かす機械ですが、その役割は実は少し違います。
扇風機はなるべく広範囲に風を拡散する事が目的のものであるため、あまり遠くまで風を送る能力はありません。
それに対してサーキュレーターは部屋の空気をかき混ぜることが目的のものであるため、割と一直線に遠くまで空気を送ることができる反面、広範囲に拡散する能力は持ち合わせていません。
だから人が風にあたって涼むのであれば扇風機のほうが適しているのですが、今回のように床の方に溜まったエアコンの冷気をロフトの空間まで飛ばすのであれば、扇風機よりもサーキュレーターを併用したほうが効率が良いという訳ですね。
では次項から実際に商品レビューをご覧いただきましょう。
商品レビュー
改めまして、今回購入したアイリスオーヤマ製のサーキュレーター「PCF-HD15-W」がこちらです。
第一印象としてはとにかく小さい!
羽根の直径はだいたい16cmくらいでしょうか。全体的に非常にコンパクトにまとまっており、またそれゆえ驚くほど軽いので本機を片手で持って室内を移動するのも楽々です。このあたり、前に購入した空気清浄機とは大違いですね。
※オナラにばっちり反応する空気清浄機のレビュー:
性能面
対応畳数としては8畳までを想定しているようですが、実際に使ってみた感じだと床に置いて羽根をロフトに向け、強風ではなく中風に設定してもロフトまで「風が届いているのを体感できる」くらいの風力はあります。(当然ながら中風の風圧がそのまま減衰せずに届くわけでは無い)
ロフトから床まで垂直距離が3m程度、そこからサーキュレーターまでの水平距離がだいたい2.5m程度ですので、三平方の定理より√15.25m≒少なくとも3.9m先までは強風ではなく中風でもカバーできる性能を有している計算となりますね。
※ちなみに強風ではなく中風で計算した理由ですが、強風と中風では体感的にそこまで風力の差を感じない(扇風機の強風と中風のような、明確な風量の差が無い)ことと、その割に強風と中風では羽根が回る時のブォォォォォ・・・という風切り音が段違いなので、私の場合は普段の使用時に強風を使うことはありません。
なお扇風機のように人に向けて近い距離で利用する場合は、余程暑い時以外は中風さえも使わず、一番弱い静音設定で利用しています。それでもサーキュレーターの「風をまっすぐダイレクトに届ける」特性のおかげで、十分に涼しさを感じられます。
しかもこの静音設定、これはビックリするほど非常に静か!
つけていることを忘れる・・・とまでは言いませんが、静音設定での風切り音が気になったことは今まで一度もありません。たぶん寝ているときに枕もとで動かしていても気にならないと思います。睡眠障害で長らく自宅療養中であり、音に非常に敏感な私が言うんだから間違いない。苦笑
その他、扇風機の欠点とも言える「斜め上方向へ風を送ることが出来ない」点については、このサーキュレーターは羽根の向きを斜め上どころか最大で真上に向けることが出来ますので、ロフトや天井に向けて空気を循環させることも余裕です。笑
一応羽根の向きについて言及しておくと、上下方向は90度(真上)~-20度(水平よりも20度下向き)の範囲で6段階に調節が可能・左右の首振りは45度ずつ(途中の調整は無し)です。
真上だけでなく扇風機のように水平より下向きにも角度設定が可能ですから、冬場は例えば夏とは逆にロフトへサーキュレーターを置き、エアコンで温められた空気を下へと送ってかき混ぜるような使い方も出来ますね。
なお左右の首振りは土台が動くタイプの振り方ですので、羽根の向きを90度(真上)に設定している場合は首振りを行っても意味がありません。苦笑
敢えて挙げるマイナスポイント
基本的には、ローコストでありながら私が求める性能をきちんと満たしているわけで、これといって不満点は見当たりません。
ですがせっかくのレビュー記事ですので、どうにかこうにか探し回って捻りだした「マイナスポイント」と呼べそうな部分を挙げておきます。
それはずばり「コードが短い!!!!」
このサーキュレーター、コードの長さが1.4mしかありません。たまたま私の環境では電源タップの傍で利用していますので1.4mの長さでも不自由ありませんが、コンセントに繋いだままちょっと動かそうと思った場合、移動可能範囲が頭で考えているよりも狭いと痛感させられるかもしれません。
例えばうちにある普通の扇風機の場合、コードの長さはだいたい2mくらいありますからね。その感覚でサーキュレーターをヒョイっと持って移動させる場合「あれっ?」となりかねないことが、恐らく唯一のマイナスポイントでしょうか。
「なんだよ、その程度がマイナスポイントかよ」と思われた方は、実質的に欠点らしい欠点がないサーキュレーターですので、夏本番となる前に今すぐ購入されれば幸せになれると思います。笑
まとめ
今回購入したアイリスオーヤマ製のサーキュレーター「PCF-HD15-W」を導入したことで、夏は床付近に溜まった冷気をロフトまで運び・冬は逆にロフト付近で溜まった暖気を下まで一直線におろすことで底冷えを少しでも軽減させることが出来るなど、コストパフォーマンスは非常に優れているでしょう。
また雨が続いて室内干しとなった場合でも、一直線にピンポイントで風を送るサーキュレーターの特性を生かし、洗濯物に直接風を当てることで少しでも早く乾かすことが出来ますね。
非常にコンパクトながらこれ1台で色んな用途に利用できますから、一家に1台あっても決して邪魔になる事はなく使い勝手の良い製品です。
特に私のような、天井が非常に高いロフト付き物件に住んでいる方々には、1年を通して少しでも快適に過ごすために是非導入を検討していただきたいと思います。