「迷惑メール」というものは何も最近になって始まったものではありません。少なくとも私にとってはガラケーを使い始めた20年以上前から身近に存在していた代物です。当時を知る方々であれば、メリーさんのホラー画像付きメールだったりチェーンメールだったり何かしら思い当たるものがあるでしょう。
とはいえ最近は迷惑メール対策も進み、モノによっては受信音すら鳴らず自動でスパム判定して迷惑メールフォルダへ移動させてくれる場合も多々あります。きっとメールサービスのユーザーから寄せられた膨大なスパム報告をAIに機械学習させて、スパムアドレスっぽいものを自動判別しているのでしょう。こういうのを「ビッグデータの有効活用」と表現すればよいのでしょうか。
・・・たまに本当に必要なメールまで誤判定しているので、メールアドレスのみ定期的な目視チェックはまだまだ必要ですが。
以上の理由により、昨今では迷惑メールの本文に目を通すことさえも無くなっていたのですが、このところそうもいかないメールと対峙する場面に遭遇しました。
きっかけは1通のメール
まだまだ残暑厳しき8月下旬、そのメールは前触れも無く突然やってきました。
件名:ご無沙汰してます!
本文:久々のご連絡になってしまってすみません、連絡先を変えたので登録のお願いです。
最後にお会いしてから、何かお変わりないでしょうか?
ドメインを見ると普通のドコモの携帯メール、しかも@以前の文字列もランダムな英数字ではなくちゃんとした(?)意味を持つメールアドレス。内容を見ると旧知の仲に送ったメアド変更メールのそれと何ら変わりません。
しかしこのメール、引っかかる部分が2点あります。
- 普通メアド変更メールなら名前を名乗り忘れることはない
- 送られてきたアドレスは普段使っていない
1つ目はそのまんま、通常普段から連絡を取り合う間柄ならメールアドレスを連絡先に登録していることが多いです。もちろん最近はgmailやoutlookなどのフリーメールだと署名のシステム*1が備わっており、受信した時点で相手の署名が表示される場合も多々ありますから、その場合はメアドを登録しなくても問題ないかもしれません。
ただ今回送られてきた「携帯メール」の場合、昔から利用してきた人ほど「連絡先に登録しておかないと誰が誰だか分からなくなる」経験をしてきたでしょうから、メアド変更メールを送る場合は自分の名前を入れておかないと相手からは判別されないことを経験則として身につけているはずです。
にもかかわらず、今回のメールには送り主の名前が一切入っていない。誰なんだこいつは。
もう1つ引っ掛かった部分として、このメールが送られてきた当方のメールアドレスは普段ほぼ利用していません。数少ない利用場面としては、例えばネットバンキングなどで複数のメールアドレス登録を強く推奨されている場面にて優先連絡先ではない第2連絡先として登録するくらいであり、友人知人でこのメールアドレスを知っている人を数えた場合、ギリギリ片手で収まるか否かくらい使用頻度の低いアドレスです。そしてその数少ない人間は皆、メアド変更メールで自分の名前を入れ忘れるようなポカをするITリテラシーの低い人間(?)ではありません。
【ゆる募】全く知らないdocomoのアドレスから「連絡先を変えたから登録をしてほしい」とのメールが届いたんだけどそのアドレスに心当たりが全くない。どう対応する?
— fc2104@はてなブログ&ユーチューブ開店休業中 (@fc2104) 2022年8月25日
・URLなどは本文に無いのでクリック誘導型の迷惑メールではなさそう
・@以前の文字列もランダムではない
ここまでの個人的考察から、今回のメールはかなりの高確率でクリック誘導型ではない新手の迷惑メールのような気はしますが、これまでの20数年に及ぶ迷惑メールとの格闘経験事例に当てはめようとすると微妙に肩透かしを食らうような、なんとも微妙なラインを突いてくる良い迷惑メールです(謎目線)
ひとまず今のところは「本文の最後の方にURLがあって、そのクリックを誘導してくる」タイプの迷惑メールでもなく、「不快な文章or画像がある」タイプでもなく、さらには「周囲に拡散を促す」タイプの迷惑メールでもないため、はっきり言って受信したところで害がありません。低確率で害があるパターンとしては「このメアドを知る本当に数少ない人間が本当にメアド変更し、本当にうっかり名前を入れ忘れちゃった(テヘペロ)」くらいですし、これすらもモヤモヤはしますが害とは言い切れません。
場合によっては返信することも選択肢にいれつつ、とりあえずは暫く泳がせる(と書いて放置すると読む)ことにしました。
新手の迷惑メールだと確信を得る
返信は行わず放置プレイをカマして2週間程度が経ち、メールが送られてきたことすら忘れつつあった9月5日、1通のメールが届きました。
送信元:dora_@docomo.ne.jp
件名:携帯が新しくなりました
本文:連絡先が変わったので登録をお願いします。
今年は特に暑さが厳しかったですが、その後お変わりありませんか?
連絡先が変わったと主張し再登録を促してくるが自分の名前は記載せず、お変わりないかと心配の素振りを見せているがその実態は相手からの返信を待ち構える誘い受けのプレースタイル。前回と細かな文章の差異はあれどパターンは全く同じ。
これは確実に迷惑メールだと断定してよかろう。
以前のメール受信時に返信をしようかしまいか割と悩みつつ、最終的に放置プレイを決めたあの選択は正しかったのだ。今ならそう確信できます。ということはこのメールに対しても順当にいくならばスルー確定。
しかし、こうやって迷惑メールを送られっぱなしで果たして良いのだろうか?何か一矢報いてやる方法は無いものか?そのような悪魔の囁きが一瞬脳裏をよぎりました。
もちろん今回のタイプの迷惑メールは恐らく「生きているメールアドレス」を収集することが目的でしょうから、返信した時点で相手からすればカモ確定です。でも一度ならず二度までも迷惑メールを送り付けられて、こちらが取れる有効な対抗策がスルーのみというのも何かモヤモヤする。さてどうしよう。
今回の迷惑メールに対する対抗策3案
1つ目は「明らかにヤバい奴を装う」
とにかく迷惑メールの送信主に「こいつは関わったらロクでもない」と思わせるような返信を行います。例えばちょっと前にネット上で流行った「コロナワクチンが如何に有害か(ry」「コロナワクチンは政府の陰謀で人体実験用として(ry」みたいなアレ(←)を、来るメール来るメール全てに書いて返信し続けます。あるいは亜種として「次世代通信規格である5Gが人体に与える影響(ry」とか「DHMOの恐怖(ry」とか「放射能(ry」とか・・・
今回の迷惑メールが「アドレス収集」だったり「振り込め詐欺」を目的としたものであれば返信内容を人の目でチェックしているでしょうから、多少の効果はあるかもしれません。が、もし相手が機械的にメッセージを生成して送信しているだけの場合、延々と噛みあわない不毛なラリーが続くことになりかねませんのでリスクも大きいです。
2つ目は「迷惑メール同士でやりとりさせる」
現時点で私の元には2通の迷惑メールが届きました。そしてその2通は別々のアドレスから送信されています。
そこで、「最後にお会いしてから、何かお変わりないでしょうか?」のメールを送ってきたakai.kitsune@docomo.ne.jp(赤い狐)に対してdora_@docomo.ne.jp(ドラ)から送られてきた『今年は特に暑さが厳しかったですが、その後お変わりありませんか?』の本文をコピペして送信し、逆に『今年は特に暑さが厳しかったですが、その後お変わりありませんか?』のメールを送ってきたドラに対して赤い狐から送られてきた「最後にお会いしてから、何かお変わりないでしょうか?」のメール本文をコピペして送りつける手法です。
相手が人の目でチェックしている送信者なら同業者だと勘違いしてくれるかもしれませんし、そうでなかったとしてもこちらで返信の文章を考える必要が無く、機械的にコピペして返信するだけで済むので手間は少しだけ省けます。
ただ、対抗策1も対抗策2も、一度返信したらきっと次々と送られてくるであろう迷惑メールに対応し続けねばならないことが非常に面倒です。そしてそこまで時間と手間をかけてあげる程お人好しではない。
そこで考えた対抗策3つ目は「返信はしないがブログのネタにする」
つまりこの記事のことだ!(ジャジャーン
まとめにかえて
まさか令和にもなって、ガラケー時代に隆盛を極めた・・・と思っていた迷惑メールに悩まされるとは思いもしませんでした。あの頃は迷惑メールだったりワンクリック詐欺だったりいろいろありましたけどね。ひょっとするとSNS全盛の現代っ子からすれば、今回のような迷惑メールは逆に目新しくて引っ掛かるのでしょうか。
などという私自身も最初は返信しようかしまいか迷いましたけど。苦笑
よく「ファッションは数10年単位で同じブームが巡ってくる」と聞きますし、こういった迷惑メールや詐欺の類も同じく巡り巡っているものなのでしょうか。
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なんちゃって。
*1:今回指し示しているのは「メール本文の最後に出す定型文としての署名」ではなく、メールアドレスの替わりに表示される名前のこと