バルセロナで行われている世界最大のモバイル関連イベント・Mobile World Congress 2017に先駆けて発表されたBlackBerry KEYone。
元々は「BlackBerry Mercury」の通称で発売が示唆されていた製品で、ストレート型の端末下部にBlackBerry伝統のqwertyキーボードを搭載したAndroid端末です。
BlackBerry名義のAndroid端末としては既にPriv・DTEK 50・DTEK 60の3製品が発売されていますし、そのうちのPrivはスライド式とはいえqwertyキーボードを搭載しています。
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もちろんこれらも良い商品なのですが、ただデザイン面を含めどこか「らしくない」印象を少なからず持ってしまう製品でもありました。
それに比べて今回のBlackBerry KEYoneは、まさに「The・BlackBerry」とでも称すべきそのフォルムや、後述する性能面でみても非常に魅力的な端末として仕上がっています。
そんな素晴らしい製品・・・にもかかわらず・・・。
今回のBlackBerry KEYone、なぜか個人的には食指が動きません。
なぜ食指が動かないのかをあれこれ考えた結果、主観100%ですが2つの理由を挙げてみます。
スペックおさらい
BlackBerry KEYone | BlackBerry Priv | BlackBerry Passport | |
---|---|---|---|
OS | Android 7.1 | Android 5.1(アップデート対応) | BB OS10.3.x |
CPU | Snapdragon 625 (オクタコア) |
Snapdragon 808 (ヘキサコア) |
Snapdragon 801 (クアッドコア) |
RAM | 3GB | ||
ROM | 32GB | ||
サイズ(mm) | 149.3×72.5×9.4 | 147.0×77.2×9.4 | 131.4×90.5×9.25 |
重量 | 180g | 192g | 205g |
解像度 | 1620×1080ドット | 2560×1440ドット | 1440×1440ドット |
バッテリー | 3505mAh | 3410mAh | 3450mAh |
対応バンドの比較については、Privが日本国内モデルなる限定モデルを出している都合上、直接的な比較は行いません。
ただBlackBerry KEYoneの対応バンドに関しては、LTEが1/2/3/4/5/7/8/13/17/20/28/38/40・3Gが1/2/5/6/8と称されています。
これはBlackBerry Passportの対応バンドである、LTEが1/2/3/4/5/7/8/13/17/20・3Gが1/2/4/5/6/8とほぼ同じですので、仮に日本で技適認証を受けてこのまま発売されたとしても、経験上東京近郊であれば不自由なく電波を掴むと思います。
→FOX.INC.から技適取得の上で2017年6月29日に発売されることが発表されました!文末追記参照。
バッテリーもPrivやPassportよりも多い、一説にはBlackBerry端末で最大の容量を積んでいるとのことですので、OSの違いがあるとはいえPassport基準で考えると1日フルに使っても余裕があると思われます。
※BlackBerry Passportの場合、待ち受けメインであれば5日ほど充電しなくても大丈夫です。
またqwertyキーボードに関しても、BlackBerry Passportのような最低限のキー配列ではなく、BlackBerry ClassicやBlackBerry Privと同様にAltキーやシフトキー(「↑」マークのキー)も備えているタイプですので、やはり使い勝手は非常に良い製品だと思います。
食指が動かない2つの理由
デザインはもちろんのこと、性能的にも十分にメイン端末として活用できるであろうものを備えていながら、なぜ自分は食指が動かないのか。
色々と理由を考えてみましたが、「手元にBlackBerry ClassicとBlackBerry Passportが既にあるから」を除いて考えてみても、まだ2つの理由があることが分かりました。
言い換えれば、この2つの(個人的な)ハードルさえクリアできれば、今回発表されたBlackBerry KEYone1台で運用をまとめることさえ出来るでしょう。
あれこれ書いていても埒があきませんし、このブログは私個人のスペースであることを免罪符(?)として、私の中で食指が動かない2つの理由を一方的にご紹介します。苦笑
理由1:OSがAndroid
分かってます。もちろん分かってます。
某媒体で「シェアが0%だ」などと酷評されるくらい、将来性の無いであろうBB OSに未練を感じたところで意味は無いと。
「第3のOS」と一部では期待されたであろうWindows 10 mobileですら、(少なくとも日本では)大コケしている惨状を見るに、この先モバイル環境のOSはAndroidとiOSの2強に収束していくと予想される中で、BlackBerryがAndroid OSに舵を切り替えたのは将来性を考えた場合よい判断だと思います。
それにアプリ数に関しても、BlackBerryWorldにあるアプリの数はお世辞どころか口が裂けても多いとは言えません。
そもそもAmazon App Store経由で一部のAndroidアプリをエミュレートで動かせるようにしていた通り、BlackBerry内部でもAndroidに依存する傾向が前々からあったわけですから、それならばOSをAndroidへ完全移行した方が多くのユーザーにとっては制約が減って歓迎すべきことなのでしょう。
・・・ということを分かってはいるのですが、どうにもこうにもAndroidに関するネガティブイメージの方が僅差で上回ってしまいます。例えば「セキュリティがガバガバ」だと言われていることだとか。
とは言っても世界中で何億台と使われているOSですから、マルウェアの攻撃対象となる比率も当然BB OSとは比べ物にならないのもまた事実で。
元々セキュリティ面での強固さを売りにしていたBlackBerry製品ですが、果たして今回のBlackBerry KEYone独自で搭載されるセキュリティ機構がどれほどまでに優れているのか・・・この点に関する疑念を払拭できるか否かが、Androidを受け入れられるか・ひいては私がBlackBerry KEYoneに食指が動くかの分岐点となりそうなのです。
もはや私のこの「Android嫌い」な思考(思想)は、ある種の宗教戦争・それもかなりのマイノリティーな宗教に例えることが出来るのではないか・・・とさえ思うレベルの、世間一般的には意味を為さない個人的なものですので、極々一般的なスマホユーザーの皆さんにとっては「BlackBerry KEYoneに食指が動かない理由」とはなり得ないでしょう。苦笑
理由2:サイズの問題
正直なところ「OSがAndroidであること」は食指が動かない理由の10~20%に過ぎず、自分の中で理由の大部分はこちらの「サイズの問題」です。
前述した比較表を再確認していただきたいのですが、今回のBlackBerry KEYoneは高さ・幅・厚み全てにおいてBlackBerry Privとほぼ同じサイズになっています。
1年ほど前にPrivの現物を見に行きましたが、Privの「キーボードを出していない状態」であっても非常に大きく・縦長に感じましたので、サイズは変わらずにqwertyキーボードへ即アクセス可能!(その分液晶サイズは縦幅が圧縮)と言われても、ちょっと「コレジャナイ」感を抱いてしまいそうです。
そして何よりも、このサイズだとジーンズの前ポケットに収められない。
私は普段、スマホ(や以前のガラケー時代)はジーンズの前ポケットに入れています。
中でもEDWIN(エドウィン)の402、タイトストレートタイプがお気に入りです。
問題はこのジーンズを履いている場合、BlackBerry Classicですら前ポケットに収納していると、座った時に骨盤をガシガシ圧迫してきて痛いのです。
対策としては、ちょっと粋がっている中高生レベルの腰パン気味に履けば圧迫具合が幾分緩和されるでしょうが、それはそれでちょっと格好悪い。苦笑
よって痛みを我慢しながら浅めに座るか、座る時に可能であれば近くの机かどこかへ端末を出しておくか、諦めてカバンなどに放り込んでおくか・・・の3択でなんとかやり過ごしている状態です。
でも本当は手ぶらで出歩きたい。
冬場の今はアウターのポケットに詰め込み大作戦でどうにかなっていますが、これから暖かくなって薄着になるとその作戦も使えませんので、今から頭を抱えています。。。
ちなみにBlackBerry Classicは高さがBlackBerry Passportとほぼ同じ131mmですから、BlackBerry KEYoneの場合、これよりもさらに約20mmも縦長になる計算です。
そんなに縦長になったら、もはや骨盤圧迫どころではなく椅子に座れないかもしれない!笑
この物理的制約が自分の中で非常に大きなウェートを占めているため、BlackBerry KEYoneは今のところ食指が動きません。
逆説的に、普段からスマホはカバンの中にしまっているタイプの方であれば、こんな訳の分からない問題は生じませんから、BlackBerry KEYoneは条件次第で非常にオススメ出来る端末だと言えます。
まとめ
個人的にスマホとして許容できる最大サイズは、先々週に秋葉原へ行ったときに見かけたQ10レベルが限度だと思っています。
Q10の高さが約120mmですので、Q10を基準に考えるとBlackBerry KEYoneは30mmも縦長になる計算です。
30mm=3cmってどのくらいだと思います?
だいたい成人男性の親指先端~第1関節までの長さですよ?!
ちょっとこのサイズになってしまうと、前ポケットにサッと入れて手ぶらで近場に出歩く・・・なんてこともままならなくなってしまうのが、食指が動かない最大の要因です。
繰り返しになりますが、Androidに抵抗がなくて普段カバンへスマホを入れて持ち歩くタイプの方であれば、タッチセンサー搭載のqwertyキーボード付き端末の使い心地は是非とも味わってみて欲しいと思います。
一度味わうとやみつきになりますので!笑
ただそもそもBlackBerry KEYoneは日本の技適認証を受けて発売されるのか?!
【追記】
BlackBerryのい正規代理店を名乗るFOX.INC.から、2017年6月29日に技適取得の上で発売されることが発表されました。価格は69800円との事。
また噂によると、LTEのband19も包括した日本独自モデルになる?とのことで、BlackBerry KEYoneの購入を検討されている方々にはかなりの朗報と言えるのではないでしょうか。